数年前のことだ。
高校の同級生だという二人の男性が、一緒に会員登録をした。
二人を初めて見たとき、正直なところ、私は心の中である程度の結果を予想していた。
一人は背が高く、声もよかった。第一印象だけでいえば、誰が見ても好感を持つタイプだった。
一方、もう一人は背が低く、ややふくよかな体型だった。外見だけで判断すれば、初対面ではどうしても不利になりやすい条件だった。
私は心の中で、こんな心配もしていた。
「一人は順調に紹介が進み、もう一人はなかなかうまくいかなかったらどうしよう」
ところが、人は少し言葉を交わしてみるだけで、外見とはまったく異なる一面が見えてくる。
イケメンなAは、やや無愛想だった。
相手の話を聞くよりも、自分の話をしている時間のほうが長かった。
反対にBには、人を安心させる不思議な魅力があった。
特段、話が上手なわけでもなく、無理に相手を笑わせようとするタイプでもなかった。
それでも、一緒にいると自然に緊張がほぐれ、気持ちが楽になる人だった。
そこで私は、二人にそれぞれ違う助言をした。
Aには、もう少し表情を柔らかくし、相手の話に耳を傾けてみるように伝えた。
Bには、外見を気にしすぎず、会話や人柄で自分の魅力を伝えてみるように勧めた。
相手が安心して話せる雰囲気をつくり、楽しい時間を過ごせるようにすることが、Bにとって大きな長所になるはずだと伝えた。
何度か紹介が進むと、女性たちから感想が届き始めた。
Aに対する評価は、どれも似ていた。
「私の話には、あまり関心がなさそうでした」
「イケメンではありますが、一緒にいると少し居心地が悪かったです」
「ずっと自分の話ばかりしているように感じました」
一方、Bに会った女性たちの反応は、予想とは大きく違っていた。
「最初は少しがっかりしました。礼儀として少しだけ話して帰ろうと思っていたのですが、気づけば時間があっという間に過ぎていました」
「話せば話すほど、いい方だと思いました」
「最後には、外見のことはまったく気にならなくなっていました」
結果は、さらに意外なものだった。
Aは二か月が過ぎても、交際にはつながらなかった。
一方、Bは紹介された女性の中から気の合う方と出会い、自然な形で交際を始めた。
後になって、Bに会った女性たちから共通して聞いた言葉がある。
「たくさん話す人ではありませんが、一言一言をとても大切にしているように感じました」
「私の話に本当に関心を持ってくれていることが伝わりました」
「今日のこの出会いを大切にしてくれている人だと思いました」
その言葉を聞きながら、私は改めて気づかされた。
人は、ただ面白い人よりも、自分を安心させてくれる人のことを長く覚えている。
数か月後、Bに再び会ったとき、私はもう一度驚いた。
体重もかなり落ち、肌の調子もよくなり、何より表情が大きく変わっていた。
入会した頃に見せていた自信のなさや萎縮した様子はほとんど消え、明るく自信に満ちた顔になっていた。
人は、誰かに認められ、大切にされるようになると、まず表情から変わっていく。
よいご縁は、人そのものを変えることもある。
30年以上にわたり、数えきれないほどの出会いを見守ってきた中で、変わらない事実が一つある。
外見は、第一印象をつくる。
しかし、「もう一度会いたい」と思う相手を決めるのは、外見だけではない。
一緒にいて心が楽だったか。
自分の話を最後まで聞いてくれたか。
大切にされ、尊重されていると感じられたか。
結局、そうしたことが二人の関係を長く続けていく。
だからこそ、昔からこんな言葉が伝わっているのかもしれない。
「顔が好みでないのは、結婚式の30分だけ我慢すればいい。
けれど、性格が悪ければ、一生苦労する。」

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