
アメリカ在住の韓国系ご両親から、相談を受けたことがある。
お二人は1970年代にアメリカへ移民し、小さな事業を立ち上げ、自力で成功された方々だった。
今は引退し、ゆとりある生活を送っていたが、心の中に一つだけ心配事があった。
それは、一人息子の結婚だった。
しかも、四代続く一人息子だった。
アメリカでは、「一人息子」ということは、それほど重要ではない。
しかし、韓国人の親の気持ちは違う。
一日でも早く嫁を迎え、孫を抱きたいという思いがあったのだ。
息子はアメリカで生まれた。
名門大学を卒業し、金融会社でアナリストとして働いていた。
ご両親の話によれば、どこを見ても不足のない息子だった。
ところが、何年にもわたり紹介を受けても、結婚の話にはつながらなかった。
お母様がこうおっしゃった。
「代表、うちの息子は紳士的で、能力もあり、見た目もいいんです。そう見えるのは、私の目にだけなのでしょうか」
少しして、またこうおっしゃった。
「世の中には男性も女性もたくさんいるのに、どうしてうちの子は結婚できないのでしょうか。
もしかすると、親には言えない悩みでもあるのでしょうか」
そのお気持ちは、十分に理解できた。
生涯、親を困らせたことのない息子だった。
勉強もよくでき、職場もよかった。
それなのに、ほかの人たちが普通にしている結婚だけができないのだから、親としてはもどかしくて当然だった。
何度か会ってみると、その理由が分かった。
彼は初対面の場で、特に言葉が出なくなる人だった。
普段はまったくそうではないという。
職場でも人間関係はよく、友人も多かった。
何度か会えば、親切で穏やかな性格がそのまま表れた。
周囲からの評判もよいほうだった。
問題は、初対面だった。
女性はたいてい、第一印象で多くを判断する。
もう少し会えば長所が見える人なのに、そこまで進めなかった。
アメリカでも何度か紹介をした。
明るい性格の女性にも会ってもらったが、結果は同じだった。
「いい方だということは分かります。でも、あまりにも消極的です」
その後も、結果は似ていた。
デートが長く続かなかった。
結局、特別管理に入ることにした。
プロフィールと相手からの評価をもう一度見直しながら、原因を一つずつ探っていった。
何度かさらに会って話をしているうちに、大学時代の話が出た。
好きだった女性がいて、大きく傷ついたことがあったという。
それ以来、女性と二人きりで会うと、自信を失ってしまうようになったという。
ところが面白いことに、職場ではまったくそうではなかった。
女性の同僚たちとは自然に話せていた。
デートが始まると、言葉がうまく出なくなるのだ。
そのとき、進むべき方向が見えた。
「ああ、この人は、人そのものを変える必要があるのではない」
そう思った。
女性会員には、正直に伝えることにした。
条件のよい男性だとだけ紹介すれば、また同じ結果になると思ったからだ。
「いい男性です。
誠実で、責任感も強い方です。
ただし、初対面では少し言葉が少ないかもしれません。
三、四回ほど会ってみれば、なぜ私が推薦するのか分かるはずです」
思ったより反応は多かった。
70〜80人ほどが、会ってみたいと連絡してきた。
その中で、韓国に住む女性が7人、アメリカに住む女性が6人いた。
一人ひとり、改めて相談をした。
条件も重要だったが、性格をより重視した。
最終的に、一人の女性を選んだ。
心理カウンセラーだった。
人の話をよく聞く性格で、アメリカ留学の準備もしていた。
このくらいなら、お互いによく合うのではないかと思った。
今回は、紹介の方法を少し変えてみることにした。
私はその女性に、思いがけない提案をした。
「アメリカに一度行ってみませんか」
最初は少し驚いた様子だった。
しかし、説明を聞くと、快く受け入れてくれた。
アメリカで一週間ほど、一緒に時間を過ごしてみようということだった。
旅行もして、食事もして、ご両親にも会い、普段の生活も自然に見る時間だった。
一度のお見合いよりも、このほうがずっとよいと思った。
女性はアメリカへ行った。
男性と一緒に旅行もし、ご両親とも時間を過ごした。
数日が過ぎると、雰囲気が変わった。
本当に不思議だった。
言葉の少なかった彼が、一日一日変わっていった。
女性も、その姿を見ていた。
ご両親もとても喜ばれた。
一週間は、あっという間に過ぎた。
韓国に戻ったあとも、二人は連絡を続けた。
その頃からは、私が特別にすることはなかった。
しばらくして、男性が韓国へ来た。
女性のご両親に挨拶し、結婚の許しも得た。
そのカップルのことは、今でも時々思い出す。
いい人でありながら、自分の魅力をうまく見せられない人は、意外と多い。
そういう人に必要なのは、その人を変えることではない。
自分の本当の姿を見せられる機会をつくってあげることなのだ。
カップルドットネット
代表 イ・ウンジン

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