
私がこれまで見てきた限りでは、結婚に失敗して人生が崩れた人よりも、結婚を先延ばしにしたり、結婚しなかったりしたことで人生が崩れていった人のほうが、はるかに多かった。
1990年代、私たちの会員のほとんどは裕福ではなかった。
お見合いの紹介料が5,000円、1万円だった時代だ。それさえ負担に感じる人も少なくなかった。
そんな時代に、ある男女を紹介した。
男性は専門大学を卒業し、中小企業に勤めていた。
両親は地方で農業をしており、彼は一人でソウルに出てきて、月3万円の家賃の部屋で暮らしていた。
女性は高校卒業後、当時いわゆる「工場」と呼ばれていた製造会社で働いていた。
妹と二人で、仏光洞の湧水場へ向かう坂道にある小さな部屋を借りて暮らしていた。
二人は初めて会ったときからお互いに好感を持ち、自然と交際に発展した。
当時、私たちの事務所もソウル鍾路5街の古びた建物にあった。
コンピューターもなかった。
電話だけで会員を紹介していた時代だった。
しかし、今思えば、むしろあの頃のほうが人と人との距離は近かった。
会員たちはよく事務所に遊びに来て、カップルマネージャーたちと一緒にお酒を飲むこともあった。
その二人も、ときどき事務所に顔を出した。
ある日、一緒に焼酎を飲んでいると、自然と結婚の話になった。
ところが二人には、結婚式を挙げるだけの余裕がないという。
私は言った。
「だったら、まず一緒に暮らしてみたらどうですか。
生活に余裕ができてから、結婚式を挙げればいいでしょう」
私の言葉が背中を押したのか、二人は両親の了承を得て婚姻届を出し、一緒に暮らし始めた。
新婚生活のスタートは、安い借家の一室だった。
それでも二人は笑っていた。
お互いに励まし合いながら、苦しい時期を乗り越えていった。
結婚してからは、不思議と少しずつお金も貯まるようになった。
小さな借家から保証金で借りる家へ移り、その家も少しずつ広くなっていった。
その間に、二人の子どもにも恵まれた。
長い年月が流れ、再び二人の暮らしを知ったときには、ソウル恩平区にある40坪台のマンションで安定した生活を送っていた。
おそらく、結婚式は最後まで挙げなかったのだと思う。
苦しい時代を一緒に耐え、一緒に涙を流した時間。
それが二人にとって、何より大切な思い出になった。
そして、その記憶が二人の間に、生涯を共にする仲間のような強い絆をつくったのだと思う。
今でも二人は仲良く暮らしている。
結婚式を挙げるお金さえなく、小さな借家から新婚生活を始めた二人が、今では40坪台のマンションで暮らしている。
そんな姿を見ると、今でもこの仕事をしていてよかったと思う。
一方で、まったく反対の人生を歩んだ人もいる。
当時、カップルマネージャーたちから「夢のような事業の話ばかりしている」と言われていた男性がいた。
当時も今も、事業をしているというだけでは、必ずしも女性から人気があるわけではない。
まして、まだ成功していない男性となればなおさらだった。
ようやくお見合いが決まると、彼はいつも真面目に出かけていった。
ただ、女性たちから返ってくる感想は、いつも似ていた。
「デートをすると、一つのお店からなかなか移動しようとしない」
私たちは、その理由を知っていた。
デートに使えるお金がなかったのだ。
ところが、そんな彼が1990年代後半から2000年代初めのベンチャーブームに乗り、突然、大きな成功を手にした。
お金を使うことにも、ある意味では経験が必要なのだと思う。
準備もないまま突然大金を手にした人が、どんな道を歩むことになるのか。
私は彼を通して見ることになった。
ある日、江南で彼と会った。
その席には、有名な俳優まで呼ばれていた。
私は店員にA4用紙を一枚もらい、その俳優にサインをしてもらって、家に持ち帰って自慢したことを覚えている。
江南の高級店で、堂々と酒を楽しんでいた彼の姿を今でも覚えている。
当時の私は、本当に世間知らずだった。
長い年月が流れ、あの日交わした会話を思い返してみると、
「ああ、あの頃にはもう、ずいぶんおかしな遊び方をするようになっていたんだな」と思う。
彼は今も独身である。
結婚しないまま成功に酔い続けるうちに、身体も心も少しずつ崩れていった。
当然、事業もうまくいかなくなった。
やがて巨額の不渡りを出し、逃げるように海外へ渡った。
それからまた長い年月が過ぎたある日、彼からアメリカから連絡が来た。
「イ代表。もう、優しい女性ならそれでいいです」
子どもも望まないと言った。
条件も見ないと言った。
海外でも、かなり苦労したのだろう。
昔、彼に酒をごちそうになった借りもあったので、地方に住む女性を一人紹介した。
この二人も結婚式は挙げなかったようだ。
今は地方の静かな町でコンビニを営みながら、二人で穏やかに暮らしているらしい。
カップルドットネット
代表 イ・ウンジン

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